GoToトラベル利用で新潟へ
筆者は普段主に全国的なチェーン店で期間限定販売されるメニューの試食レポートを掲載していますが、今回はGoToトラベルを利用した旅先での食レポとなります。
新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが大きくなり、GoToトラベル自体の是非を問う声も大きく、感染拡大地域をGoToトラベルの対象から外すか否かの議論も噴出いしている最中ではありますが、今回はこの制度を利用して新潟県へと行ってきました。
もちろん、感染対策としての消毒や体調管理などは徹底して行った旅でした。
今回の旅は2泊。1泊目は新潟県南魚沼郡湯沢町が目的地です。湯沢町と言えばその名前の通り温泉地であり、全国的に有名なスキー場であるガーラ湯沢がある事でも有名です。
時期的にはスキーシーズンにはまだ早く、目的としては観光や温泉がメイン。とはいえ、筆者は北国出身のくせにスキーもスノーボードもからきしですので、スノースポーツ目的で旅行する事は無いのですが。
観光も行いましたが、やはり筆者が得意とするのは食レポ。という事で、今回は2回に分けてお送りする新潟県で食べたものの食レポ記事となります。
観光客にも地元客にも人気の居酒屋の食事はどれもハイレベル
1泊目の宿へは新幹線での移動です。上越新幹線で東京駅から1時間半ほど、スキー旅行では定番の駅である越後湯沢駅のほど近くに宿を取りました。
旅行といえば宿での食事も楽しみも一つですが、宿は素泊まりにして食事は地元の居酒屋などでその地方ならではの食事を楽しむのが筆者の最大の楽しみです。
今回1泊目の夕食を頂いたお店は越後湯沢駅から歩いて10分もかからないくらいの距離にある居酒屋です。店名は伏せますが、このお店に行ったことのある方や地元の方であれば写真だけでどこのお店か分かってしまうかもしれません。
この居酒屋は古民家風の内装となっており、店内には囲炉裏が設置されているなどかなり雰囲気が良く、観光客からも地元の人からも人気のお店のようで到着後すぐに満席になっていました。
メニューを見るとやはり新潟。豊富な魚介メニューに加えて米どころらしくご飯ものもしっかり用意されています。
そして米どころと言えばやはり日本酒も数多く用意されているようです。回りのお客さんもやはり日本酒を注文している人が多いようで、このお店は地元新潟の日本酒と共に、やはり地元の食材を使った料理を頂くお店となるようです。
居酒屋といえばまずはお通しです。チェーン店の居酒屋などのお通しは正直言って手抜きなものが多く、いかにも冷凍の枝豆だったり業務用の切り干し大根だったりと、出てきた時点でそのお店の期待度が地に落ちるというのはよくある話です。
そんなお店の実力がはっきりと分かるお通しですが、このお店で何気なく出てきたお通しがこちらとなります。
登場したのは「あん肝のオレンジ煮」です。お通しでこんなのが出てくるの!?という驚きのメニューとなりました。
あん肝といえば冬のおつまみの定番の一つと言えますが、お通しで出てくるのは東京などではあまり考えられません。それも、よくある「あん肝ポン酢」ではなく「オレンジ煮」というのだから驚きです。
量もたっぷりでこれだけで一杯目を十分に堪能出来るのではないでしょうか?最初にこれが出てくるならば、最初から日本酒を頼むお客さんが多いのも納得です。
味ももちろん最高で、あん肝のねっとりとした食感と肝ならではのこってりとした味わいにオレンジの酸味と香りが爽やかさをプラスしており、なんともお酒の進む逸品です。好みで付けるように言われたワサビとの相性も良く、あん肝の濃厚さから思ったよりたっぷり付けても辛みはあまり感じないくらいです。
もうこのお通しだけでこの日は優勝が決まったと言っても過言ではないでしょう。という事で、ここからは食べた料理の写真を感想と共にご紹介します。
こちらも冬しか食べられないメニューの一つである、白子ポン酢です。ご存知の通り白子ポン酢は真鱈の白子(精巣)をさっと湯通しし、ポン酢で味付けして頂く料理で当然、鮮度が何よりも大事なメニューとなります。
彩りやアクセントとして青ネギやもみじおろしも添えられており、見た目にも鮮やか。お通しのレベルから心配はしていませんでしたが、当然ながら新鮮そのもので、生臭さなどは一切なく白子ならでは濃厚さが楽しめる一品でした。酒が進んでしまって困ります。
続いてはこれまた定番メニューの冷奴です。とはいえ、見ての通り単なる冷奴ではなく、しらすとネギ油で味付けされた冷奴となっています。
いつものネギと鰹節、生姜が乗った冷奴に醤油をかけて食べるのも当然美味しいですが、こちらは始めから味が付いておりそのまま頂きます。
もう既に見た目からして美味しいのは間違いないという風格がありますが、食べてみるとしらすの塩気とうまみにネギ油の香ばしさが豆腐と相性抜群、ネギ油はアツアツのものをかけているようで、豆腐の冷たさとのギャップが楽しい一品でした。
続いてはお刺身です。色々なメニューがありましたが今回のチョイスは水ダコとアオリイカです。
大きな丼のような器に細かく砕いた氷がびっしりと入っており、そこに置いた笹の上にお刺身が乗るというなんとも見た目も豪華な一品です。
水ダコはタコと聞いて想像する一般的な「マダコ」とは別な種類で、最大の特徴はなんと言ってもその大きさでしょう。写真を見て分かる通り、その直径から元はどれだけ大きなタコだったかが良く分かります。
かなり大ぶりにスライスされており、一口で食べると口の中がタコで溢れそうになるくらいの食べごたえがあります。生ではなく、一度ボイルしてありますが決して茹ですぎという事はなく、絶妙な火の入り加減でこの厚さと大きさでありながら噛み切れないという事は一切ありませんでした。
アオリイカの方は生のお刺身です。筆者は北国育ちですので小さい頃からイカのお刺身はよく食べてきましたが、首都圏では正直美味しいイカのお刺身に出会った事は無いと言っても良いでしょう。
しかし、写真で見て分かるレベルの透き通ったこのお刺身は故郷のものに勝るとも劣らないレベルで、これだけ新鮮なイカの刺し身は都内などではそうそう食べられるものでは無いでしょう。
新鮮なイカは味も食感も段違い。イカ本来の甘味が味わえる一品です。ちなみに、このお店のお刺身は最初から味付けがされており、醤油などを付けずにそのまま頂くスタイルとなっています。
続いては「栃尾のじゃんぼ油揚げ」です。「栃尾の油揚げ」とは新潟の名物の一つで、通常の3倍近い大きさの油揚げとなっており新潟では子供から大人までみんなこの栃尾の油揚げが大好きなんだとか。
栃尾の油揚げを作っている豆腐店は11店舗ほどあるようですが、こちらのお店が扱っているのは常太豆腐店というお店のもののようです。
その大きな油揚げをパリッと焼き、ネギや鰹節を乗せてあり、食べる直前で醤油をかけて食べるスタイルです。マヨネーズも添えられていますが、これだけの油揚げならシンプルに醤油で食べるのが良さそうです。
食べてみると外側は香ばしく、中はしっとりとジューシー。中は厚揚げのように豆腐感が残っているかと思いきや、しっかりと中心部まで揚がっている事から、見た目の大きさの割にペロリと食べられてしまいました。
居酒屋とはいえ、野菜もしっかり食べたい所。サラダも良いですが、今回はお店の人気メニューの一つであるバーニャカウダをチョイスしました。
こちらのバーニャカウダは言ってしまえばシンプルというか、基本に忠実なバーニャカウダになっています。色鮮やかな野菜は種類も豊富でこちらもやはり新鮮そのものです。
ソースはロウソクにより常に温められており、時間がたってもアツアツのソースで頂く事が出来ます。
野菜自体の美味しさも高いですが、やはりこのオリーブ油、アンチョビ、にんにくで作った熱々のソースであれば正直何に付けても美味しいであろう事は言うまでもありません。
ソースの量もたっぷりで、一口ごとに付けても十分な量があるのが嬉しいです。
最後はお酒です。こちらのお店は新潟の日本酒を数多く取り揃えていますが、冷酒で頼んだ場合はこのようなオシャレな竹のとっくりに入って出てきました。
おちょこも竹製のようで、かなり風情があります。竹のとっくりは普段は冷凍されているようで、表面には霜が付いているほどの冷えっぷりで冷酒の冷たさの持続に一役買っているようです。
八海山や越の鶴の本正の始め、様々な日本酒を頂きましたがどれも絶品。ついつい飲みすぎてしまったのは言うまでもありません。
新潟の旅は佐渡ヶ島へ
新潟旅行は1泊目から大満足です。正直筆者の新潟知識は「米どころである」くらいしかなく、日本酒の銘柄はある程度知っていましたが新潟の食を甘く見ていたという事は揺るぎない事実でしょう。
1泊目はそのまま越後湯沢駅近くの宿の泊まり、2泊目は新潟港からフェリーで佐渡ヶ島に渡ってとなりました。
かなり記事が長くなってしまいましたので、佐渡ヶ島での食レポは別な記事にしたいと思います。先に言える事は、佐渡ヶ島の居酒屋はコスパがトンデモなかったという事です。
次回に続く
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