こいつ…動くぞ!「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」に早速行ってみたら現代のロボット技術の粋を見られた その2

コラム
こちらの記事は前回の続きとなります。

ガンダムがついに動いた!

 ついに目の前に現れた動くガンダムこと「RX-78F00 ガンダム」、その実物大18メートルの迫力にまずは圧倒される事になりました。(この記事は前回の続きです)

 その見た目は一見様々な人がイメージするいわゆる「ファーストガンダム」という見た目をしていますが、よく見ると可動域などの問題から腕の関節部などのに差異があるようです。

 そういった可動の都合上のデザインの違いも含めて、このガンダムはオリジナルのものという設定になっているのでしょう。

 そして入場から程なくして、ついにこのガンダムが動き出す事になります。ガンダム起動実験の直前には場内にアナウンスが流れ、ドックの電光掲示板の表記がカウントダウンに変わります。

 このご時世という事で場内アナウンスでしっかりと「距離を取って」という警告が入る辺りは、ある程度雰囲気が損なわれますがそこは致し方ないというものでしょう。

 そしてカウントダウンがゼロになると、スモークが炊かれガンダムの起動実験がスタートします。※動画は音が出ます

音が出ます

 やはりこれだけの大きな物を現実的に動かしている事と、安全性の担保から言ってもゆっくり動く事になります。

 このガンダムは実際に自立している訳ではなく、背中…というよりお尻の部分がアームで繋がれており、少々宙に浮いているのが仕様です。

 しかし、足と同時に腕を含む全身が自然に動く事でより「歩いている感」が演出されており、この辺りは最新のロボット工学の技術の賜物でしょう。

 直立していても迫力のある実物大ガンダムですが、動く事でよりリアリティが強調され、更に迫力を感じます。この大きさの兵器が自由自在に歩き回って武器まで使うとなれば、人間ではひとたまりもないでしょう。

動きが大きいと迫力も大きい

 今回の動くガンダムで最もダイナミックに動くのがこの「立ち膝状態へ→立ち上がり」の動きになります。もちろんアニメのように素早く動く事は技術的な面でも安全性の面でも今は不可能ですが、大きな動きをすると「まるで本物」という印象を受けます。

 この後ガンダムは制御を取り戻し、人差し指を天に向けた決めポーズをして起動実験は終了します。

 30分後の起動実験ではその決めポーズ状態から直立状態に戻り、ドックに再び格納されるという展開です。

 印象的だったのはガンダムの起動実験が始まると、見物している人たちは固唾を呑んで見守っており歓声などは上がらなかった点です。やはりオープン初日という事もありかなり熱心なファンが多かったという点もあるとは思いますが、ある種の神々しさを感じる光景でした。

 人によっては思ったほどの動きじゃないという感想になるかもしれませんが、これだけ巨大な人型のロボットが動くというのは世界でも初めての事でギネス記録にも認定されている通りこれはいわゆる「偉大な一歩目」というものでしょう。

 動くガンダムを堪能したので、次はやはりショッピングでしょう。

公式ショップは大混雑!並びは覚悟しよう

 ガンダムと言えば切っても切り離せないのがガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」です。このGUNDAM FACTORY YOKOHAMAでも専用のショップが用意されており、ここでしか買えない様々なガンプラやグッズが用意されています。

 今回一番時間がかかったのはこのショップへの並びで、並び始めの時点で2時間待ちとなっていました。今回のGUNDAM FACTORY YOKOHAMAは2時間の入れ替え制となっているのですが、このショップへの並びが長時間に及ぶ事からあまり入れ替え制の意味が無かったようにも思えます。

 並び時間は非常に長いのですが、30分おきにガンダムの起動実験が行われますのである程度退屈を紛らわす事が出来るでしょう。

ソーシャルディスタンスマークもオリジナル

 感染症予防の観点から待機列にもこのような「立ち位置」表示がされており、入場者同士の距離が近くなり過ぎないような配慮もされています。

 …のですが、あまりに並び列が長い事からこの立ち位置表示があまり意味を成していなかったのはこのイベントの今後の課題の一つかもしれません。

 そしてやっと入れたショップ内では今回のGUNDAM FACTORY YOKOHAMAの目玉である動くガンダムこと「RX-78F00」のプラモデルやフィギュア、グッズなどが中心となっており、いわゆるアニメのガンダムシリーズ関連商品は少なめとなっています。

 この会場で限定販売されているものは外にあるコンテナショップでも購入出来るようで、それだけが目当てであればショップの入場待ちに並ぶよりコンテナショップに並んだ方が早いでしょう。

 ショップで購入したガンプラなどの紹介は次回に持ち越しとしますが、上記の通り混雑している日の並びは相当なもの。2人以上で並ぶなら良いですが、1人で並ぶのであれば必ず直前にトイレには行っておきましょう。

トイレの男女マークは連邦軍仕様

 面白かったのがそのトイレです。トイレには付き物の男女表示のパネルが、機動戦士ガンダムに登場する「連邦軍制服」になっていました。

 女子トイレの表記はスカート仕様の制服のマークになっており、ファンをニヤリとさせるにくい演出になっています。でも、ガンダムを知らない人にはちょっと不親切でしょうか?

「動くガンダム」実現までの軌跡が学べるアカデミーも必見

 動くガンダムやショップだけでなく、場内にはカフェなどもありますがやはり見ておきたいのは「アカデミー」という施設でしょう。

 アカデミーでは動くガンダムの開発プロセス、その設計や構造、仕組みについてパネルや映像、模型などで知る事の出来る資料館のような役割を担っています。

 更に拡張現実、いわゆるARでの体験コーナーも設置されており、子どもから大人まで楽しめる施設になっています。

 また、トークショーや講演会、イベントなどを行うコミュニケーションスペースもあり、オープン初日では何も開催されていなかったものの将来はこのスペースで企業や学校との連動企画も実施予定との事です。

ロボット技術とガンダムの融合は一見の価値あり

 今回のGUNDAM FACTORY YOKOHAMAはガンダムファンであればもちろん必見のイベントですが、あまり詳しくない人であってもロボット工学などへの興味があれば十分楽しめるものになっている印象でした。

 現在の技術ではこれだけの大きさの人型ロボットを自立させ、動かす事は到底不可能ではあります。

 実際に立って歩くガンダムを実現出来なかった事について、アニメ「機動戦士ガンダム」の監督である富野由悠季氏は「出来なくて悔しい」としながらも、今回の動くガンダムに触発された子どもや若者たちが将来、技術的な問題をクリアし本当に歩くガンダムを実現してほしいとコメントしたように、今回の動くガンダムは未来への希望を繋げる一歩であると言えるでしょう。

 開催期間は2022年3月までと長めとなっている今回のイベンですが、ガンダムファンもそうでは無い人も、一度山下ふ頭に足を運んで動くガンダムを体験してみてはいかがでしょうか?

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